Q夢想
侍7の9main
はじめに
いらっしゃいませ。 こんにちは。 aki と申します。
ココ「Q夢想」にお越しいただき、ありがとうございます。
以下、傾向とお知らせを兼ねての、簡単なご案内です。
( 夢小説 )
『 在りし日の… 追慕 』(parallel 3 piece) up
名前変換なしの商人サイドでの話。金髪紅眼が相手
子供から少女、大人へと歳を重ね、キュウゾウとヒョーゴに見守られながら成長
ほのかにヒョーキュウ風味。故に、微妙に三角関係
↑↓の両方に関連するパラレル話は黒髪黒眼が相手
( ヒョーゴ×キュウゾウ パラレル )
『 その後のストーリー 』(Strayers) 更新中
『 Lovers 』 晴れてコイビト同士となった大学生の2人。アマアマ
『 Strayers 』 デキアガルまでの紆余曲折な高校生の2人。ジリジリ
どちらの話にも随時カンシチ、ボ→ヒョが含まれています。ヤキモキ
詳細は「しながき」をご覧下さい。
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版権元、出版社との関係はございません。
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その後のストーリー 20
20
「 オレも、行かなかった 」
自ら告げると、撫でられた小指の先端。
指先でツッと。
なんだか…… とても不思議な感覚でー
公園なんて、どこにでもある。通学に通る道筋の途中にだって。
なのに伝わっているこの事実、ヒョーゴは答えてから気付いた。
それに……。訊かれて、当たり前のようにキュウゾウは答えた。
なんのために? そんな疑問ではなく。
どうしてか…… 過ぎた時間を顧みて。
「 なぜ、……だろうな 」
ヒョーゴも、おなじ台詞を繰りかえす。
「 お前の『仕方がない』ってヤツ、いま思えばソレが妙にハマって聴こえる。
あの場所を詮無(せんな)いモノとして捉えていたつもりではなかったが、
時期尚早、……いや。オレにとっては退路にも感じられたのかもしれんな 」
吐き出して。ようやく傍の者に触れることができた。
いちばん近くにあった頭、柔らかな髪を手のひらで。
「 だけどな、おかしな話だが、………オレは。
ずっとドコカにナニかを忘れてきたような、そんなキモチになっていたんだ 」
そしてそのまま。ゆるやかなラインに沿わせるハズだった。
突然キュウゾウが体勢を変え、起き上がろうとしなければー。
「 キュウゾウ……? 」
おなじ高さ、まっすぐとなった視線。その揺らめきにヒョーゴは少し…。
たじろいだ。
公園………。あの、場所だった。
探し求めて。ヒョーゴを追って。けれど行かなかった、ひとつ。
脚が向かなかったとか忘れていたとか、そんな理由では、ない。
何故かは解らなかったが、………ドコカにナニか……… そんな、キモチにはー
ヒョーゴと、同じコトを。
『 キュウゾウ……? 』
言って、みようか。 自分もそうだったのだと。
伝えて、みようか。 ぼんやり浮かんだ理由は、ココで。いま初めて……
傍に居て。手に触れて。そうやって訊かれれば、不思議と自分が解ってきた。
ナニから言えばイイのか。ドウ言葉にすればー。
うまく云えないのはいつものコトだ。それでもヒョーゴは解ってくれている。
そう、感じたから……
「 オレの、なかにも。…………イロイロあるようなんだ。
おなじ、なんだ、きっとヒョーゴと。
…………そうだ、アイツも言っていた、オレとヒョーゴは、 」
「 アイツ?… 」
「 今朝、シチロージが 」
『 昨日、アタシ云いましたよね。ヒョーゴもきっと、おんなじだって。
イロイロなコトを抱え過ぎて、なにをどうアナタに伝えれば良いか、
ヒョーゴも解らないんですよ。どんな顔をすれば良いのかもね…… 』
「 なんだったかは忘れたが、なんかを言っていた。
だから、ずっとオレはヒョーゴのコトを考えて、……それで、
…………それで、…………だから、 …………………… 」
話すうち、思いだす感情が溢れてくる。
「 いいや、違う。もっと、…………もっと前から、オレは。
ヒョーゴが離れてから、…………その前から……ずっと………ッ 」
うまく云えないのはいつものコトで。 ………それ以上になってくる。
胸が、苦しくなってくる。
言葉が見つけられなくて、ヒョーゴを、 見つめる。
今ココには居ない者の名に、一瞬眉間を寄せ険しい表情を見せたヒョーゴは、
云い募ってゆくうちにもう、すっかり姿を変えていて。
「 そうか 」
頷いて、
「 ………あの場所のオレたちじゃ、なかったんだよな。本当に欲しかったモノは。
オレも必死になって探していた。いまの…お前と…出逢うことのできる自分を。
けど………、そんなコトをしていたって、結局は。
キュウゾウ。…お前、だったんだ。オレの真実は 」
黒の眼差しを細め、
「 そうか。…………オレも、お前と同じだったんだな 」
やさしく、 微笑った。
相手に対する了解と、肯定のキモチを表した、その語句。
自身がソレを声にしたときも。聴いたときも。――――――――――『 そうか 』
もしかしたら………、感じたのかもしれない。相等しく。
詰まった胸の苦しさがスッと消えたかと思えば、
またベツのナニカに支配されたココロのうちで、
やはり自分たちは似ている……… キュウゾウは、思った。
「 オレも、行かなかった 」
自ら告げると、撫でられた小指の先端。
指先でツッと。
なんだか…… とても不思議な感覚でー
公園なんて、どこにでもある。通学に通る道筋の途中にだって。
なのに伝わっているこの事実、ヒョーゴは答えてから気付いた。
それに……。訊かれて、当たり前のようにキュウゾウは答えた。
なんのために? そんな疑問ではなく。
どうしてか…… 過ぎた時間を顧みて。
「 なぜ、……だろうな 」
ヒョーゴも、おなじ台詞を繰りかえす。
「 お前の『仕方がない』ってヤツ、いま思えばソレが妙にハマって聴こえる。
あの場所を詮無(せんな)いモノとして捉えていたつもりではなかったが、
時期尚早、……いや。オレにとっては退路にも感じられたのかもしれんな 」
吐き出して。ようやく傍の者に触れることができた。
いちばん近くにあった頭、柔らかな髪を手のひらで。
「 だけどな、おかしな話だが、………オレは。
ずっとドコカにナニかを忘れてきたような、そんなキモチになっていたんだ 」
そしてそのまま。ゆるやかなラインに沿わせるハズだった。
突然キュウゾウが体勢を変え、起き上がろうとしなければー。
「 キュウゾウ……? 」
おなじ高さ、まっすぐとなった視線。その揺らめきにヒョーゴは少し…。
たじろいだ。
公園………。あの、場所だった。
探し求めて。ヒョーゴを追って。けれど行かなかった、ひとつ。
脚が向かなかったとか忘れていたとか、そんな理由では、ない。
何故かは解らなかったが、………ドコカにナニか……… そんな、キモチにはー
ヒョーゴと、同じコトを。
『 キュウゾウ……? 』
言って、みようか。 自分もそうだったのだと。
伝えて、みようか。 ぼんやり浮かんだ理由は、ココで。いま初めて……
傍に居て。手に触れて。そうやって訊かれれば、不思議と自分が解ってきた。
ナニから言えばイイのか。ドウ言葉にすればー。
うまく云えないのはいつものコトだ。それでもヒョーゴは解ってくれている。
そう、感じたから……
「 オレの、なかにも。…………イロイロあるようなんだ。
おなじ、なんだ、きっとヒョーゴと。
…………そうだ、アイツも言っていた、オレとヒョーゴは、 」
「 アイツ?… 」
「 今朝、シチロージが 」
『 昨日、アタシ云いましたよね。ヒョーゴもきっと、おんなじだって。
イロイロなコトを抱え過ぎて、なにをどうアナタに伝えれば良いか、
ヒョーゴも解らないんですよ。どんな顔をすれば良いのかもね…… 』
「 なんだったかは忘れたが、なんかを言っていた。
だから、ずっとオレはヒョーゴのコトを考えて、……それで、
…………それで、…………だから、 …………………… 」
話すうち、思いだす感情が溢れてくる。
「 いいや、違う。もっと、…………もっと前から、オレは。
ヒョーゴが離れてから、…………その前から……ずっと………ッ 」
うまく云えないのはいつものコトで。 ………それ以上になってくる。
胸が、苦しくなってくる。
言葉が見つけられなくて、ヒョーゴを、 見つめる。
今ココには居ない者の名に、一瞬眉間を寄せ険しい表情を見せたヒョーゴは、
云い募ってゆくうちにもう、すっかり姿を変えていて。
「 そうか 」
頷いて、
「 ………あの場所のオレたちじゃ、なかったんだよな。本当に欲しかったモノは。
オレも必死になって探していた。いまの…お前と…出逢うことのできる自分を。
けど………、そんなコトをしていたって、結局は。
キュウゾウ。…お前、だったんだ。オレの真実は 」
黒の眼差しを細め、
「 そうか。…………オレも、お前と同じだったんだな 」
やさしく、 微笑った。
相手に対する了解と、肯定のキモチを表した、その語句。
自身がソレを声にしたときも。聴いたときも。――――――――――『 そうか 』
もしかしたら………、感じたのかもしれない。相等しく。
詰まった胸の苦しさがスッと消えたかと思えば、
またベツのナニカに支配されたココロのうちで、
やはり自分たちは似ている……… キュウゾウは、思った。
その後のストーリー 19
欲しくて、探していたと。
そう云いながら欲のない、無心の顔をしてみせる。
そんなお前はどんなキモチで夜を過ごしていた?
ドコかへ
ナニかを
お前も、求めて彷徨ったりしていたのか………?
19
いま、キュウゾウに玩ばれているのは人差し指。
爪のカタチをなぞって、表面を滑らせて、押す。
関節を曲げて、また戻して。それを繰りかえす。
そしてつぎに、………薬指。中指を飛ばしたコトに、なにか意味はあるのだろうか。
上から覗き見てはいたが、見ていなくてもヒョーゴには解る。
自分のカラダのどの部分が、どんなふうに扱われているのか。
眼で追っていたのは白い手。キュウゾウの指の動きであった。
その、隣。小指に差し掛かったところでー
「 ………なぁ 」
胸の早鐘は、まだ治まってはいない。
「 公園には、………行ったか? 」
その声が聴こえているのか、いないのか。
キュウゾウは、今度はすぐに動こうとはしなかった。
イロイロと騒がせてくる手許の戯れが停止しただけ。
いや、………なにか、言った? 呟くようにして。
言葉とするには足りないほどの音だったが、
答えとするには足りえるほどの、その仕草。
「 どうしてだ? 」
腰あたりで擦れるような感じ…で。金の髪のくすぐりを受け。
ヒョーゴは、理由が知りたかった。
「 ………………なぜだろう…… 」
耳に届いた瞬間、
「 アソコに……行っても、 」
続く、その声に、
「 あの場所へ、行っても……… 」
聴こえるひとつのオトに、 無性にホッとする。
「 仕方がないと、思った 」
そしてにわかに反転。
「 ………………仕方ない? 」
ヒョーゴは、理由を繰りかえす。
「 まだ、………ちがうんだ。
あの、………ヒョーゴじゃぁ、ない…んだ 」
相変わらず、よくわからん、単語足らずの台詞。
舌足らずな話し方は眠気のせいもあるのだろう。
わからないけど、そのキモチを解ろうとはしてやれた。
そう試みなくとも、まるで解っているみたいに頷けた。
目蓋を閉じると浮かんでくる。
おさない、まっさらな、ふたりの光景。
求めたモノは何処で、ソレは…… 何だった?
ヒョーゴは、理由を。
キュウゾウから聴きたかったのだ。
想いを、重ねて、みたかったのだ。
その後のストーリー 18
18
こんなコトになるとは思ってもいなかった昨日、複雑な心情で換えたばかりのシーツ。
その上でヒョーゴは、なんども居住まいを正す。
ココで、キュウゾウと眠るのも久しぶりだった。
以前はドコで、どんなカッコウをして、ナニを見て過ごしていただろうか。
そんなコトを考えてしまうほど、手脚の置き所に困っては。視線の留め先に、迷う。
自分の寝床の一部で、慣れているハズの行為で、馴染んだ人肌が、すぐ傍に………。
持て余していた。
接触している下半身が、特に。なんどもあったコトだというのに。
まるで、 『ハジメテ』を体験しようとしているみたいではないか。コレではー。
勝手に抱いた妄想に、ヒョーゴは笑い。すぐさま打ち消し。また、笑った。
「 ン……? なんでもない、ただの思いだし笑いだ 」
やっぱり見ていたキュウゾウに、応えてみる。
まったくのウソというワケではないのだから、堂々と。落ち着いたフリをして。
「 思いだしたのか? 」
一瞬。読まれてしまったのかとギクリとしたがー。
「 いや…。残念ながら、ソレはまだだな 」
余裕の口調で返してやった。
キュウゾウの言葉の中味を、ヒョーゴは的確に読み切って。
………そう。キュウゾウの言葉の意味を。ちゃんとヒョーゴは理解している。
足りない熱を、ヒョーゴから取り込もうと。ゆるく身体を擦り寄せてくるキュウゾウ。
そうやってときどきは、確かめるようにして見上げてくる。流す、意味ありげな瞳で。
もしも、あのとき
『 ヒョーゴが、……欲しい 』
もしも、こんな眼をして云われていたのなら。きっとヒョーゴは、たぶん………
それでも首を何度も横に振って笑うのだろう。儚い刹那の本望に、笑っただろう。
キュウゾウが。 ヒョーゴが欲しいと胸のなかで囁いては。
ヒョーゴ、が。 キュウゾウが欲しくて堪らないと震える。
発音が同じでも、ソコに籠められる欲情が異なれば、ソレはやはりベツの言葉なのだ。
もしかすれば。あるいは。言葉の真意さえキュウゾウは解っていないのかもしれない。
『 欲しい 』
ソレがどれほど熱いモノなのかを。 どれほどヒトを狂わせよう言葉なのかをー。
数時間前に体験した、現象が。 空港で。
また、ヒョーゴに甦ってくる。 近づく。
骨を砕かれたかと思わせるほどのshock。
襲撃に混乱しワケも解らず陥ったpanic。
アレだけでアレほどになってしまったのだ。ならアレ以上となったとき、自分は。
いったいどうなってしまうのか……………。マジになったキュウゾウを前にして。
こころに正直なカラダは、さらにヒョーゴの体温を上げていた。
指先まで火照っているのが解る。隠すようにして握ったならば、すぐさま。
「 キュウゾウ…… 」
白い手指に掴まえられた。
いつもの指遊び。
決まってベッドの上で為されるコドモの遊戯。
ソコに性的な意味は含まれてはいない。全く。
解ってはいたが、やっぱり切なくなってしまう。
すこし苦しげに洩らした声で呼んで…しまった。
毛布に包(くる)まれ寝転ぶキュウゾウ。その傍ではヒョーゴが。
上半身を起こしたまま手脚を投げだし、落ちた声の行方を追った。
文字を追おうともしないで、ただ傍で寄り添うだけのヒョーゴに。
呼ばれてキュウゾウは、くるりと顔を向けただけで遊戯に戻った。
なんだか自分が恥ずかしくなるくらい、欲のない純粋な笑みを見せられて。
魅せられて
「 コレが。……………欲しかった、探して、………いたんだ 」
告げられて
触れられて
その感触は、こんなにも柔らかくて。震えて。
まるで『ハジメテ』を体験しているみたいに、 ……………ドキドキした。
こんなコトになるとは思ってもいなかった昨日、複雑な心情で換えたばかりのシーツ。
その上でヒョーゴは、なんども居住まいを正す。
ココで、キュウゾウと眠るのも久しぶりだった。
以前はドコで、どんなカッコウをして、ナニを見て過ごしていただろうか。
そんなコトを考えてしまうほど、手脚の置き所に困っては。視線の留め先に、迷う。
自分の寝床の一部で、慣れているハズの行為で、馴染んだ人肌が、すぐ傍に………。
持て余していた。
接触している下半身が、特に。なんどもあったコトだというのに。
まるで、 『ハジメテ』を体験しようとしているみたいではないか。コレではー。
勝手に抱いた妄想に、ヒョーゴは笑い。すぐさま打ち消し。また、笑った。
「 ン……? なんでもない、ただの思いだし笑いだ 」
やっぱり見ていたキュウゾウに、応えてみる。
まったくのウソというワケではないのだから、堂々と。落ち着いたフリをして。
「 思いだしたのか? 」
一瞬。読まれてしまったのかとギクリとしたがー。
「 いや…。残念ながら、ソレはまだだな 」
余裕の口調で返してやった。
キュウゾウの言葉の中味を、ヒョーゴは的確に読み切って。
………そう。キュウゾウの言葉の意味を。ちゃんとヒョーゴは理解している。
足りない熱を、ヒョーゴから取り込もうと。ゆるく身体を擦り寄せてくるキュウゾウ。
そうやってときどきは、確かめるようにして見上げてくる。流す、意味ありげな瞳で。
もしも、あのとき
『 ヒョーゴが、……欲しい 』
もしも、こんな眼をして云われていたのなら。きっとヒョーゴは、たぶん………
それでも首を何度も横に振って笑うのだろう。儚い刹那の本望に、笑っただろう。
キュウゾウが。 ヒョーゴが欲しいと胸のなかで囁いては。
ヒョーゴ、が。 キュウゾウが欲しくて堪らないと震える。
発音が同じでも、ソコに籠められる欲情が異なれば、ソレはやはりベツの言葉なのだ。
もしかすれば。あるいは。言葉の真意さえキュウゾウは解っていないのかもしれない。
『 欲しい 』
ソレがどれほど熱いモノなのかを。 どれほどヒトを狂わせよう言葉なのかをー。
数時間前に体験した、現象が。 空港で。
また、ヒョーゴに甦ってくる。 近づく。
骨を砕かれたかと思わせるほどのshock。
襲撃に混乱しワケも解らず陥ったpanic。
アレだけでアレほどになってしまったのだ。ならアレ以上となったとき、自分は。
いったいどうなってしまうのか……………。マジになったキュウゾウを前にして。
こころに正直なカラダは、さらにヒョーゴの体温を上げていた。
指先まで火照っているのが解る。隠すようにして握ったならば、すぐさま。
「 キュウゾウ…… 」
白い手指に掴まえられた。
いつもの指遊び。
決まってベッドの上で為されるコドモの遊戯。
ソコに性的な意味は含まれてはいない。全く。
解ってはいたが、やっぱり切なくなってしまう。
すこし苦しげに洩らした声で呼んで…しまった。
毛布に包(くる)まれ寝転ぶキュウゾウ。その傍ではヒョーゴが。
上半身を起こしたまま手脚を投げだし、落ちた声の行方を追った。
文字を追おうともしないで、ただ傍で寄り添うだけのヒョーゴに。
呼ばれてキュウゾウは、くるりと顔を向けただけで遊戯に戻った。
なんだか自分が恥ずかしくなるくらい、欲のない純粋な笑みを見せられて。
魅せられて
「 コレが。……………欲しかった、探して、………いたんだ 」
告げられて
触れられて
その感触は、こんなにも柔らかくて。震えて。
まるで『ハジメテ』を体験しているみたいに、 ……………ドキドキした。
その後のストーリー 17
( 眩し過ぎて 近づいていけないなんて云ったら
そしたら …お前
そんなオレを 馬鹿だと笑ってくれるか……? )
17
窓の外に、夜の空を見た。
遠く小さな瞬きを幾つか。
気付くとキュウゾウの姿は眼の前になく、身体が冷気を思いだした。
腕が、…手が。物忘れの出遅れに気付き、ピクリと微かに反応する。
もういちど、……と。
金の後ろ頭を思って、必定の名を舌に乗せて。 背後を振りかえる。
「 ヒョーゴ 」
思い描いていた光景とは、違った。
「 冷えるぞ 」
想い唱えようとしていた、名は…
なんだろう、これは…。 なんとも云えない高揚感と安堵感。
昔から、キュウゾウは。 こうやって先手を取ってゆくのだ。
普段はボーッとしているくせに。我関せずの朴念仁のくせに。
こんなとき、
眼差しと沈黙と。そしてたまに声。
必要以上のことは話さず、片言で。
なのに欲しい言葉は、ちゃんと…。
馬鹿と云われて、
いまだ覚醒しきってはいない、無防備なオレが。
いまキュウゾウに招かれようとしているなんて。
どうして、だ?
なんだか、ちょっと、……………解ったような気がする。
必要がなかったのは、呼ぶ前にコイツが振りむくからだ。
呼ぼうとする声が役に立たないのではなく、すでにオレは呼んでいたから。
声にするよりも先に、こころのオトが、キュウゾウには聴こえていたからー
ヒョーゴの指先が、体温を欲しがっていた。
でもすぐには従わない。
元の位置に視線を戻し、開け放しの窓に手を掛け閉めた。
ついでに、カーテンも。やけに響いたレール音に何故か。………照れくささを覚える。
あれきり、キュウゾウはなにも言ってはこない。ヒョーゴも、なにも応えてはいない。
素直に振舞えないのは、べつに意地を張っているワケでもなくて。そうじゃ…なくて。
背に、両肩に。 チリチリと灼けるような熱が。
耳に、鼓膜に。 シンシンと染みとおる旋律が。
オレを困らすのも、鎮めてくれるのも始まりは、この沈黙なんだ。
焦ってイラついて、つい怒鳴ってしまうオレも。
見蕩れて、なにも云えなくなってしまうオレも。
いつもコイツは沈黙でオレを包んでくれていた。
いつもの微笑と赤褐色と。そしてたまの不服顔。
こうして視てくれていたんだ。ずっと…いまも。
いつも、オレのことだけはー
そして、もういちど。
濃い闇色に染まった空を脳裏に浮かべて。
喚ぶ、キュウゾウへとー ヒョーゴは振りかえった。
その後のストーリー 16
16
こころを落ち着かせ、一歩、ヒョーゴはキュウゾウへ。 惑わされて。切なくて
自分と真正面から向きあおうとしてくれているコトに。 愛おしくて。嬉しくて
進めた歩幅以上に近づけたような……気が、した。
「 間違ってはいたが、オレには必要だったんだ。 ………ひとりの時間が 」
これが、『なんのため』の答えに成り得るだろうか
「 オレは、お前に近づけずにいたから 」
これが、『どうして』の答えに対する、今の精一杯
「 悪いな、これ以上は上手く云えそうにない。これから先、お前と………。
お前と、共にこれからも在れば、もっとマシな返答をしてやれると思う 」
「 解らないのか? 」
「 …………まぁ、そんなとこだ」
解らないのかと聞かれれば、そうではないような。そう言われて悔しいような。
けれど伝えられずにいるのだから、しょうがない。そういう…コトなのだろう。
キュウゾウは。ふぅん……とー。気のない相槌を返すだけで。
納得したのか不満なのか、読み取りにくい仕草で首を捻った。
もどかしくも、悩ましい。焦りや窺いを誘っているようにもー
「 そうか 」
だけど、キュウゾウの。 この、ひとこと。
拾った聴覚よりも鋭敏に、視覚を刺激する。
キレイな顔で笑ってくれる
「 ヒョーゴが近づけない、それも……か? 」
そして、キュウゾウが。 助動詞のなさは相変わらずだ。
そう考えるよりも先に喉を越えて
「 お前が 眩しすぎて、 オレ、は………、 」
発しながら眩む瞳。
自分がなにを声にしているのかすら。
つよくココロそそるモノを前にして、正常な判断力を失っている。
赤い唇が開いた。
「 馬鹿だな、ヒョーゴは 」
キレイな コドモの顔で 笑う…キュウゾウが、 いた。
こころを落ち着かせ、一歩、ヒョーゴはキュウゾウへ。 惑わされて。切なくて
自分と真正面から向きあおうとしてくれているコトに。 愛おしくて。嬉しくて
進めた歩幅以上に近づけたような……気が、した。
「 間違ってはいたが、オレには必要だったんだ。 ………ひとりの時間が 」
これが、『なんのため』の答えに成り得るだろうか
「 オレは、お前に近づけずにいたから 」
これが、『どうして』の答えに対する、今の精一杯
「 悪いな、これ以上は上手く云えそうにない。これから先、お前と………。
お前と、共にこれからも在れば、もっとマシな返答をしてやれると思う 」
「 解らないのか? 」
「 …………まぁ、そんなとこだ」
解らないのかと聞かれれば、そうではないような。そう言われて悔しいような。
けれど伝えられずにいるのだから、しょうがない。そういう…コトなのだろう。
キュウゾウは。ふぅん……とー。気のない相槌を返すだけで。
納得したのか不満なのか、読み取りにくい仕草で首を捻った。
もどかしくも、悩ましい。焦りや窺いを誘っているようにもー
「 そうか 」
だけど、キュウゾウの。 この、ひとこと。
拾った聴覚よりも鋭敏に、視覚を刺激する。
キレイな顔で笑ってくれる
「 ヒョーゴが近づけない、それも……か? 」
そして、キュウゾウが。 助動詞のなさは相変わらずだ。
そう考えるよりも先に喉を越えて
「 お前が 眩しすぎて、 オレ、は………、 」
発しながら眩む瞳。
自分がなにを声にしているのかすら。
つよくココロそそるモノを前にして、正常な判断力を失っている。
赤い唇が開いた。
「 馬鹿だな、ヒョーゴは 」
キレイな コドモの顔で 笑う…キュウゾウが、 いた。

進行中の話のみ逆表示

