Q

はじめに


いらっしゃいませ。 こんにちは。 aki と申します。
ココ「Q夢想」にお越しいただき、ありがとうございます。
以下、傾向とお知らせを兼ねての、簡単なご案内です。
   


 ( 夢小説 )

   『 在りし日の…  追慕 』(parallel 3 piece) up

  名前変換なしの商人サイドでの話。金髪紅眼が相手
  子供から少女、大人へと歳を重ね、キュウゾウとヒョーゴに見守られながら成長
  ほのかにヒョーキュウ風味。故に、微妙に三角関係

  ↑↓の両方に関連するパラレル話は黒髪黒眼が相手


 ( ヒョーゴ×キュウゾウ パラレル )

   『 その後のストーリー 』(Strayers) 更新中

  『 Lovers 』 晴れてコイビト同士となった大学生の2人。アマアマ
  『 Strayers 』 デキアガルまでの紆余曲折な高校生の2人。ジリジリ
  どちらの話にも随時カンシチ、ボ→ヒョが含まれています。ヤキモキ



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その後のストーリー 20

20



「 オレも、行かなかった 」

自ら告げると、撫でられた小指の先端。
指先でツッと。

なんだか…… とても不思議な感覚でー


公園なんて、どこにでもある。通学に通る道筋の途中にだって。
なのに伝わっているこの事実、ヒョーゴは答えてから気付いた。
それに……。訊かれて、当たり前のようにキュウゾウは答えた。
なんのために? そんな疑問ではなく。
どうしてか…… 過ぎた時間を顧みて。


「 なぜ、……だろうな 」

ヒョーゴも、おなじ台詞を繰りかえす。

「 お前の『仕方がない』ってヤツ、いま思えばソレが妙にハマって聴こえる。
  あの場所を詮無(せんな)いモノとして捉えていたつもりではなかったが、
  時期尚早、……いや。オレにとっては退路にも感じられたのかもしれんな 」

吐き出して。ようやく傍の者に触れることができた。
いちばん近くにあった頭、柔らかな髪を手のひらで。

「 だけどな、おかしな話だが、………オレは。
  ずっとドコカにナニかを忘れてきたような、そんなキモチになっていたんだ 」

そしてそのまま。ゆるやかなラインに沿わせるハズだった。
突然キュウゾウが体勢を変え、起き上がろうとしなければー。


「 キュウゾウ……? 」

おなじ高さ、まっすぐとなった視線。その揺らめきにヒョーゴは少し…。
たじろいだ。








  公園………。あの、場所だった。
  探し求めて。ヒョーゴを追って。けれど行かなかった、ひとつ。
  脚が向かなかったとか忘れていたとか、そんな理由では、ない。
  何故かは解らなかったが、………ドコカにナニか……… そんな、キモチにはー

  ヒョーゴと、同じコトを。


  『 キュウゾウ……? 』


  言って、みようか。 自分もそうだったのだと。
  伝えて、みようか。 ぼんやり浮かんだ理由は、ココで。いま初めて……

  傍に居て。手に触れて。そうやって訊かれれば、不思議と自分が解ってきた。
  ナニから言えばイイのか。ドウ言葉にすればー。
  うまく云えないのはいつものコトだ。それでもヒョーゴは解ってくれている。
  そう、感じたから……


  「 オレの、なかにも。…………イロイロあるようなんだ。
    おなじ、なんだ、きっとヒョーゴと。
    …………そうだ、アイツも言っていた、オレとヒョーゴは、 」

  「 アイツ?… 」

  「 今朝、シチロージが 」



  『 昨日、アタシ云いましたよね。ヒョーゴもきっと、おんなじだって。
    イロイロなコトを抱え過ぎて、なにをどうアナタに伝えれば良いか、
    ヒョーゴも解らないんですよ。どんな顔をすれば良いのかもね…… 』



  「 なんだったかは忘れたが、なんかを言っていた。
    だから、ずっとオレはヒョーゴのコトを考えて、……それで、
    …………それで、…………だから、   …………………… 」

  話すうち、思いだす感情が溢れてくる。

  「 いいや、違う。もっと、…………もっと前から、オレは。
    ヒョーゴが離れてから、…………その前から……ずっと………ッ 」

  うまく云えないのはいつものコトで。 ………それ以上になってくる。


  胸が、苦しくなってくる。

  言葉が見つけられなくて、ヒョーゴを、 見つめる。


  今ココには居ない者の名に、一瞬眉間を寄せ険しい表情を見せたヒョーゴは、
  云い募ってゆくうちにもう、すっかり姿を変えていて。

  「 そうか 」

  頷いて、

  「 ………あの場所のオレたちじゃ、なかったんだよな。本当に欲しかったモノは。
    オレも必死になって探していた。いまの…お前と…出逢うことのできる自分を。
    けど………、そんなコトをしていたって、結局は。
    キュウゾウ。…お前、だったんだ。オレの真実は 」

  黒の眼差しを細め、


  「 そうか。…………オレも、お前と同じだったんだな 」


  やさしく、 微笑った。




  相手に対する了解と、肯定のキモチを表した、その語句。
  自身がソレを声にしたときも。聴いたときも。――――――――――『 そうか 』
  もしかしたら………、感じたのかもしれない。相等しく。

  詰まった胸の苦しさがスッと消えたかと思えば、
  またベツのナニカに支配されたココロのうちで、

  やはり自分たちは似ている………   キュウゾウは、思った。



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その後のストーリー 19




 欲しくて、探していたと。
 そう云いながら欲のない、無心の顔をしてみせる。
 そんなお前はどんなキモチで夜を過ごしていた?
 ドコかへ
 ナニかを
 お前も、求めて彷徨ったりしていたのか………?



19


いま、キュウゾウに玩ばれているのは人差し指。
爪のカタチをなぞって、表面を滑らせて、押す。
関節を曲げて、また戻して。それを繰りかえす。
そしてつぎに、………薬指。中指を飛ばしたコトに、なにか意味はあるのだろうか。

上から覗き見てはいたが、見ていなくてもヒョーゴには解る。
自分のカラダのどの部分が、どんなふうに扱われているのか。
眼で追っていたのは白い手。キュウゾウの指の動きであった。

その、隣。小指に差し掛かったところでー


「 ………なぁ 」

胸の早鐘は、まだ治まってはいない。

「 公園には、………行ったか? 」


その声が聴こえているのか、いないのか。
キュウゾウは、今度はすぐに動こうとはしなかった。
イロイロと騒がせてくる手許の戯れが停止しただけ。

いや、………なにか、言った?  呟くようにして。

言葉とするには足りないほどの音だったが、
答えとするには足りえるほどの、その仕草。

「 どうしてだ? 」

腰あたりで擦れるような感じ…で。金の髪のくすぐりを受け。
ヒョーゴは、理由が知りたかった。



「 ………………なぜだろう…… 」

耳に届いた瞬間、

「 アソコに……行っても、 」

続く、その声に、

「 あの場所へ、行っても……… 」

聴こえるひとつのオトに、 無性にホッとする。


「 仕方がないと、思った 」


そしてにわかに反転。

「 ………………仕方ない? 」

ヒョーゴは、理由を繰りかえす。


「 まだ、………ちがうんだ。
  あの、………ヒョーゴじゃぁ、ない…んだ 」


相変わらず、よくわからん、単語足らずの台詞。
舌足らずな話し方は眠気のせいもあるのだろう。
わからないけど、そのキモチを解ろうとはしてやれた。
そう試みなくとも、まるで解っているみたいに頷けた。

目蓋を閉じると浮かんでくる。
おさない、まっさらな、ふたりの光景。



  求めたモノは何処で、ソレは…… 何だった?



ヒョーゴは、理由を。
キュウゾウから聴きたかったのだ。
想いを、重ねて、みたかったのだ。



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その後のストーリー 18

18


こんなコトになるとは思ってもいなかった昨日、複雑な心情で換えたばかりのシーツ。
その上でヒョーゴは、なんども居住まいを正す。
ココで、キュウゾウと眠るのも久しぶりだった。

以前はドコで、どんなカッコウをして、ナニを見て過ごしていただろうか。
そんなコトを考えてしまうほど、手脚の置き所に困っては。視線の留め先に、迷う。
自分の寝床の一部で、慣れているハズの行為で、馴染んだ人肌が、すぐ傍に………。

持て余していた。

接触している下半身が、特に。なんどもあったコトだというのに。
まるで、 『ハジメテ』を体験しようとしているみたいではないか。コレではー。

勝手に抱いた妄想に、ヒョーゴは笑い。すぐさま打ち消し。また、笑った。


「 ン……? なんでもない、ただの思いだし笑いだ 」

やっぱり見ていたキュウゾウに、応えてみる。
まったくのウソというワケではないのだから、堂々と。落ち着いたフリをして。

「 思いだしたのか? 」

一瞬。読まれてしまったのかとギクリとしたがー。

「 いや…。残念ながら、ソレはまだだな 」

余裕の口調で返してやった。
キュウゾウの言葉の中味を、ヒョーゴは的確に読み切って。


………そう。キュウゾウの言葉の意味を。ちゃんとヒョーゴは理解している。




足りない熱を、ヒョーゴから取り込もうと。ゆるく身体を擦り寄せてくるキュウゾウ。
そうやってときどきは、確かめるようにして見上げてくる。流す、意味ありげな瞳で。

もしも、あのとき


  『 ヒョーゴが、……欲しい 』


もしも、こんな眼をして云われていたのなら。きっとヒョーゴは、たぶん………

それでも首を何度も横に振って笑うのだろう。儚い刹那の本望に、笑っただろう。
キュウゾウが。 ヒョーゴが欲しいと胸のなかで囁いては。
ヒョーゴ、が。 キュウゾウが欲しくて堪らないと震える。
発音が同じでも、ソコに籠められる欲情が異なれば、ソレはやはりベツの言葉なのだ。
もしかすれば。あるいは。言葉の真意さえキュウゾウは解っていないのかもしれない。

  『 欲しい 』

ソレがどれほど熱いモノなのかを。 どれほどヒトを狂わせよう言葉なのかをー。




数時間前に体験した、現象が。 空港で。
また、ヒョーゴに甦ってくる。 近づく。
骨を砕かれたかと思わせるほどのshock。
襲撃に混乱しワケも解らず陥ったpanic。
アレだけでアレほどになってしまったのだ。ならアレ以上となったとき、自分は。
いったいどうなってしまうのか……………。マジになったキュウゾウを前にして。

こころに正直なカラダは、さらにヒョーゴの体温を上げていた。
指先まで火照っているのが解る。隠すようにして握ったならば、すぐさま。


「 キュウゾウ…… 」


白い手指に掴まえられた。

いつもの指遊び。
決まってベッドの上で為されるコドモの遊戯。
ソコに性的な意味は含まれてはいない。全く。
解ってはいたが、やっぱり切なくなってしまう。
すこし苦しげに洩らした声で呼んで…しまった。



  毛布に包(くる)まれ寝転ぶキュウゾウ。その傍ではヒョーゴが。
  上半身を起こしたまま手脚を投げだし、落ちた声の行方を追った。

  文字を追おうともしないで、ただ傍で寄り添うだけのヒョーゴに。
  呼ばれてキュウゾウは、くるりと顔を向けただけで遊戯に戻った。



なんだか自分が恥ずかしくなるくらい、欲のない純粋な笑みを見せられて。
魅せられて 


「 コレが。……………欲しかった、探して、………いたんだ 」


告げられて
触れられて

その感触は、こんなにも柔らかくて。震えて。
まるで『ハジメテ』を体験しているみたいに、 ……………ドキドキした。



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その後のストーリー 17





   ( 眩し過ぎて 近づいていけないなんて云ったら

     そしたら …お前

     そんなオレを 馬鹿だと笑ってくれるか……? )





17


窓の外に、夜の空を見た。
遠く小さな瞬きを幾つか。
気付くとキュウゾウの姿は眼の前になく、身体が冷気を思いだした。
腕が、…手が。物忘れの出遅れに気付き、ピクリと微かに反応する。

もういちど、……と。
金の後ろ頭を思って、必定の名を舌に乗せて。 背後を振りかえる。


「 ヒョーゴ 」


     思い描いていた光景とは、違った。


「 冷えるぞ 」


     想い唱えようとしていた、名は…




  なんだろう、これは…。 なんとも云えない高揚感と安堵感。
  昔から、キュウゾウは。 こうやって先手を取ってゆくのだ。
  普段はボーッとしているくせに。我関せずの朴念仁のくせに。

  こんなとき、

  眼差しと沈黙と。そしてたまに声。
  必要以上のことは話さず、片言で。
  なのに欲しい言葉は、ちゃんと…。

  馬鹿と云われて、

  いまだ覚醒しきってはいない、無防備なオレが。
  いまキュウゾウに招かれようとしているなんて。

  どうして、だ?

  なんだか、ちょっと、……………解ったような気がする。
  必要がなかったのは、呼ぶ前にコイツが振りむくからだ。
  呼ぼうとする声が役に立たないのではなく、すでにオレは呼んでいたから。
  声にするよりも先に、こころのオトが、キュウゾウには聴こえていたからー




ヒョーゴの指先が、体温を欲しがっていた。
でもすぐには従わない。
元の位置に視線を戻し、開け放しの窓に手を掛け閉めた。
ついでに、カーテンも。やけに響いたレール音に何故か。………照れくささを覚える。
あれきり、キュウゾウはなにも言ってはこない。ヒョーゴも、なにも応えてはいない。
素直に振舞えないのは、べつに意地を張っているワケでもなくて。そうじゃ…なくて。


背に、両肩に。 チリチリと灼けるような熱が。
耳に、鼓膜に。 シンシンと染みとおる旋律が。




  オレを困らすのも、鎮めてくれるのも始まりは、この沈黙なんだ。
  焦ってイラついて、つい怒鳴ってしまうオレも。
  見蕩れて、なにも云えなくなってしまうオレも。
  いつもコイツは沈黙でオレを包んでくれていた。
  いつもの微笑と赤褐色と。そしてたまの不服顔。

  こうして視てくれていたんだ。ずっと…いまも。
  いつも、オレのことだけはー




そして、もういちど。
濃い闇色に染まった空を脳裏に浮かべて。
喚ぶ、キュウゾウへとー ヒョーゴは振りかえった。




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その後のストーリー 16

16


こころを落ち着かせ、一歩、ヒョーゴはキュウゾウへ。 惑わされて。切なくて
自分と真正面から向きあおうとしてくれているコトに。 愛おしくて。嬉しくて
進めた歩幅以上に近づけたような……気が、した。




「 間違ってはいたが、オレには必要だったんだ。 ………ひとりの時間が 」


                 これが、『なんのため』の答えに成り得るだろうか


「 オレは、お前に近づけずにいたから 」


                 これが、『どうして』の答えに対する、今の精一杯




「 悪いな、これ以上は上手く云えそうにない。これから先、お前と………。
  お前と、共にこれからも在れば、もっとマシな返答をしてやれると思う 」

「 解らないのか? 」


「 …………まぁ、そんなとこだ」


解らないのかと聞かれれば、そうではないような。そう言われて悔しいような。
けれど伝えられずにいるのだから、しょうがない。そういう…コトなのだろう。

キュウゾウは。ふぅん……とー。気のない相槌を返すだけで。
納得したのか不満なのか、読み取りにくい仕草で首を捻った。
もどかしくも、悩ましい。焦りや窺いを誘っているようにもー


「 そうか 」


だけど、キュウゾウの。 この、ひとこと。
拾った聴覚よりも鋭敏に、視覚を刺激する。


キレイな顔で笑ってくれる


「 ヒョーゴが近づけない、それも……か? 」


そして、キュウゾウが。 助動詞のなさは相変わらずだ。
そう考えるよりも先に喉を越えて




「    お前が   眩しすぎて、    オレ、は………、   」




発しながら眩む瞳。
自分がなにを声にしているのかすら。
つよくココロそそるモノを前にして、正常な判断力を失っている。



赤い唇が開いた。




「 馬鹿だな、ヒョーゴは 」




   キレイな コドモの顔で   笑う…キュウゾウが、 いた。




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