Q夢想
侍7の9main
聴きたい言葉
ちいさくても。みじかくても。
聴いてみたい言葉ってモンがあるだろう?
たまには聴かせろよ。
お前の言葉で。 お前の、その声で…。
聴きたい言葉
めずらしく、キュウゾウが名指しで呼びだされた。
当たり前のように、ヒョーゴも付き添う。
向かった先で待っていたのは、懇意にしているゼミの准教授。
その隣には、見慣れた色をした髪の少年。
「ーという訳だ。じゃあ頼むな、ヒョーゴ。ちゃんと礼はするから」
なぜか。呼び出された者ではなく、その付き添いに、締めくくりのような挨拶をして。
サッサと准教授は去っていった。
( なんなんだ、まったく… )
溜め息をつきながら、ヒョーゴは振りかえる。
光る金色の頭が2つ、目の前に並んでいた。
准教授が残していった、まだ幼さを残す少年。
それが、ひとつの金色頭。
依頼を受けも断りもしなかった、無口な学生。
それが、もうひとつの、眩しい金色頭。 …… 馬鹿で可愛いヤツだ。
「とりあえず、行くぞ」
このまま突っ立っていても仕方ないと、ヒョーゴは歩きだす。
フッと思い直し、2人を先に行かせた。
「キュウゾウ、指名されたのはお前だ。お前がちゃんと面倒をみろよ」
すれ違いざま、念押ししておく。
返事も頷きも、なんの反応も見せることはなかったが、聞いてはいるようだ。
光る金色の後ろ頭が2つ、ヒョーゴの前で並んだ。
忙しなく受けた、さきほどの説明によると。
この少年は、准教授の家でショートステイをしている高校生とのことだった。
歳よりも幼く見せる背格好と、人懐っこく笑うその表情は、まだまだコドモのモノだ。
ホストファミリーである准教授は、近々帰国予定となった少年に、後学のためと、
自分の勤める大学を案内しようと連れてきた。
ところが。急な用事ができ、急きょ代役を求めるコトとなったのだ。
… なんとも迷惑な話だ。
適任者として、すぐに准教授が思いついたのは、キュウゾウ。
幼少時に、異国で生まれ育ったキュウゾウは、外国語が堪能だ。それはもう、流暢に。
… かつての母国語なのだから、当然だ。
任せて安心だと、コイツしか居ないと、准教授が頼ったのは、ヒョーゴ。
常日頃、保護者な姿を見せているヒョーゴは、面倒見がイイと。 それはもう、公認だ。
… ひとりの人間限定なのだが。本当は…。
キュウゾウに頼むというカタチを取れば、結果的に、ヒョーゴも付いてくる。
そう見越した、准教授の思惑に、ハメられた…。
だが、まてよ。
たまにはキュウゾウに、ヒトの世話をさせてみるのもイイかもしれない。
それを眺めてみるのも、オモシロイかもしれない。
そんな…。
ちょっとした、ヒョーゴの思いつきだった。
そのハズ、だったのだが……。
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