Q夢想
侍7の9main
知らない言葉 7
カンベエの部屋は、バイクを置いてきた店と自分たちの各家の、ちょうど中間となる。
今日の単車はヒョーゴのモノだ。わざわざ取りに戻るほどのコトでもない。
「今夜はこのまま帰るとするか。腹は減ってないか? なにか喰いに行くか?」
つい、訊いてしまう。構ってしまう。
求める者の、望むコトを。 求む自分の、望むままに。
「 ……ヒョーゴ 」
応えもなく、呼ばれた。
「 ん? 」
やわらかな眼差しで、受ける。 問う。
「 ………ヒョーゴ 」
なおも、呼んでくる。
「 どうした 」
「 ………… 」
もはや言葉では紡ぎようのない、想いが瞳を揺らしていた。
『 あのコはアレで、とてもデリケートなんですからね 』
シチロージの言葉が、脳裏で蠢く。
それに即答したのは、自分だった。
( ……解っているさ。誰よりも、オレだけが… )
解っていても。解っているから。 …… 制御できない。
キュウゾウが、見ている。 ジッと。 あの、眼で…。
「 今日はずっと、そうして…。オレを見ていたな 」
やわらかさは変えず。
「 聴かせるコトも、……オレが、話すのも 」
微笑をのせて、ゆっくりと。
「 お前は、イヤか? 気になるか? 」
ヒョーゴはキュウゾウを、見つめかえす。
「 最初に出逢ったときから、そうだったよな。
まだ慣れていない言葉で、オレに。オレの呼び掛けに、答えていたよな 」
黙ったままのキュウゾウを。
「 ………どうしてだ? 」
声で。言葉で。 ヒョーゴは誘う。
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