Q夢想
侍7の9main
想いの行方 4
4
「今日は何が食べたいですか? また、肉にしますか?」
ここ最近の、帰りが遅くなったときのヒョーゴは、その度にキュウゾウの食事を
気に掛けている。
ヒョーゴ自身、なにやら後ろめたいキモチを抱え、ソレを払拭するかのように。
いま、自分がキュウゾウに出来る、想い遣ってやれるコトは、ソレだけかのように。
口に出して頼まれたわけではなかったが、シチロージは、そんなヒョーゴの想いに
添ってやりたいと思っていた。
「 ……なんでも… 」
本当に、なんでもイイのだろう。 この無欲なコは…。
だが。
「そんな張りあいの無いコト、言わないでくださいな。
そうだ、知りあいから送られてきたイイモノがあるんです。量は少ないですけどね。
アタシたちだけで戴きましょうか。ヒョーゴもカンベエさまも居ないうちにー」
そう言って、シチロージは食材を取りにゆこうとする。
その背後で、微かな音。
「 …待つ 」
ちいさな、みじかい、キュウゾウの意ー。
随分前の1度目は、先に食べた。なにも考えずに。そのあと眠ってしまった。
なんだかとてもキモチが良くて、夢みたいなモノも見て、覚めてからもまだ、
フワフワしていた。眼の前には、やさしい声と眼差しが。ヒョーゴが在った。
最近の2度目は、待っていたけれど結局、先に食べた。シチロージが煩かった。
食べているうちにヒョーゴが帰ってきて、怒られてしまった。なにを今頃とー。
前回の3度目は、カンベエが居た。たまには外でと、強引に焼肉屋に連行された。
次から次へと皿に肉が盛られ続け、カンベエから「もっと喰え」と無理強いされた。
おくれて合流してきたヒョーゴの機嫌は悪かった。ちゃんと先に食べていたのにー。
今日は…。
最後まで、…待つ。
煩かろうが、怒られようが、機嫌が悪くなろうが、かまわない。
だいたいっ。食べることが、そんな重要なコトなのか?
ヒョーゴも。カンベエみたいなのか?
どうして…。そんなに……。
ヒョーゴは居ないくせに……。
絶対、待っていてやろうと。 こころに決めた。意地になった。
どうしてか納得がいかない。 理不尽だ。
いや…… そんなモノじゃなくって…。
………… なんだ? コレは …………。
「しょうがないですねー」
ヒョーゴの想いも。キュウゾウのモヤモヤも。
どちらも覚えのあるシチロージには。
どちらのキモチにも添ってやりたい。 できるだけー。
「じゃあ、コレだけでも口に入れなさいな」
差し出した、小さな皿。
その上には、カキの種。
( とりあえず。コレで両者の顔を立てておきますか )
ヒョーゴの怒鳴り声を、甘んじて自分も身に受けようと。
2人のコドモの、過保護な親となる、シチロージだった。
柔らかな物言いとは裏腹に、これ以上は譲れないという空気を察し、
キュウゾウは無言で皿のモノをひと掴みすると、漂うようにボックス席へと動いた。
長い脚をテーブルの下に組み仕舞い、ソファに背を預ける。
ついでのように、気のない素振りで、窓の外に眼をやった。
まだ、……居ない。
そのまま視界を上へ。
上方へと、游がせる。
そして、 空 ー
待ち人来らずの、つかの間。
もうすぐ訪れるハズの色を待つトキが、キュウゾウのココロの隙間を埋める。
「今日は何が食べたいですか? また、肉にしますか?」
ここ最近の、帰りが遅くなったときのヒョーゴは、その度にキュウゾウの食事を
気に掛けている。
ヒョーゴ自身、なにやら後ろめたいキモチを抱え、ソレを払拭するかのように。
いま、自分がキュウゾウに出来る、想い遣ってやれるコトは、ソレだけかのように。
口に出して頼まれたわけではなかったが、シチロージは、そんなヒョーゴの想いに
添ってやりたいと思っていた。
「 ……なんでも… 」
本当に、なんでもイイのだろう。 この無欲なコは…。
だが。
「そんな張りあいの無いコト、言わないでくださいな。
そうだ、知りあいから送られてきたイイモノがあるんです。量は少ないですけどね。
アタシたちだけで戴きましょうか。ヒョーゴもカンベエさまも居ないうちにー」
そう言って、シチロージは食材を取りにゆこうとする。
その背後で、微かな音。
「 …待つ 」
ちいさな、みじかい、キュウゾウの意ー。
随分前の1度目は、先に食べた。なにも考えずに。そのあと眠ってしまった。
なんだかとてもキモチが良くて、夢みたいなモノも見て、覚めてからもまだ、
フワフワしていた。眼の前には、やさしい声と眼差しが。ヒョーゴが在った。
最近の2度目は、待っていたけれど結局、先に食べた。シチロージが煩かった。
食べているうちにヒョーゴが帰ってきて、怒られてしまった。なにを今頃とー。
前回の3度目は、カンベエが居た。たまには外でと、強引に焼肉屋に連行された。
次から次へと皿に肉が盛られ続け、カンベエから「もっと喰え」と無理強いされた。
おくれて合流してきたヒョーゴの機嫌は悪かった。ちゃんと先に食べていたのにー。
今日は…。
最後まで、…待つ。
煩かろうが、怒られようが、機嫌が悪くなろうが、かまわない。
だいたいっ。食べることが、そんな重要なコトなのか?
ヒョーゴも。カンベエみたいなのか?
どうして…。そんなに……。
ヒョーゴは居ないくせに……。
絶対、待っていてやろうと。 こころに決めた。意地になった。
どうしてか納得がいかない。 理不尽だ。
いや…… そんなモノじゃなくって…。
………… なんだ? コレは …………。
「しょうがないですねー」
ヒョーゴの想いも。キュウゾウのモヤモヤも。
どちらも覚えのあるシチロージには。
どちらのキモチにも添ってやりたい。 できるだけー。
「じゃあ、コレだけでも口に入れなさいな」
差し出した、小さな皿。
その上には、カキの種。
( とりあえず。コレで両者の顔を立てておきますか )
ヒョーゴの怒鳴り声を、甘んじて自分も身に受けようと。
2人のコドモの、過保護な親となる、シチロージだった。
柔らかな物言いとは裏腹に、これ以上は譲れないという空気を察し、
キュウゾウは無言で皿のモノをひと掴みすると、漂うようにボックス席へと動いた。
長い脚をテーブルの下に組み仕舞い、ソファに背を預ける。
ついでのように、気のない素振りで、窓の外に眼をやった。
まだ、……居ない。
そのまま視界を上へ。
上方へと、游がせる。
そして、 空 ー
待ち人来らずの、つかの間。
もうすぐ訪れるハズの色を待つトキが、キュウゾウのココロの隙間を埋める。
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